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ペットにとって危険な食べ物とは・・・?

解説 小川高(臨床部会長)
何回かのシリーズ分けて、我々が通常食べている物なのに、ペットにとっては危険なものを取り上げて解説いたします。
         
1.『玉ねぎ中毒』とは何なのか?・・・正確に解説します
  玉ねぎ、ネギ、ニンニク(ガーリック類を含むものすべて)、ネギ(むかご、ネギの花、幹部分を含む)とそれを含む乾燥パウダーと調理物はすべて中毒の原因となります。もちろん犬も猫もです。 
 
  経口摂取した場合、犬猫の体内ではネギ類に含まれるSulfoxides(スルホキシドは2つのアルキル基がスルフィニル基 −S(=O)− に結合している一群の化合物)がN-propyl disulfide(ノルマル‐プロピルジスルフィドは化学式C6H12S2で表される有機硫黄化合物で、薄い黄色の液体で強い臭気を持つ。)に分解され、この物質により赤血球中のヘモグロビンと赤血球膜に酸化障害が起こります。
  
  その結果、メトヘモグロビン(ヘモグロビンが酸化され3価の鉄を含むため酸素結合能はない)、ハインツ小体(赤血球表面に形成される小体)さらに偏心性細胞(異常形態の赤血球)が形成され、血管内溶血(赤血球の破壊)と貧血が発症することになります。 
  
  単純に言い換えると、ネギ類に含まれる毒素により赤血球が破壊されてしまうということになります(明解すぎますね(^_-)-☆)。
 
2.動物種による感受性の違いについて・・・とても興味深いです
  実は、犬よりも猫のほうが玉ねぎに対してより感受性が高い(敏感)のです。 
  犬種による違いとしては、柴犬と秋田犬は遺伝的に赤血球膜のNa/Kポンプ活性による低Na・低K表現型として知られており、この犬種では酸化物資による溶血により敏感であり、Allium類中毒(ニラ、ニンニク、らっきょう)にはより危険性大と考えられます。
 
3.食べて何分で症状がでるの?
  赤血球の破壊(溶血)には、ハインツ小体の形成が関連しています。最初にハインツ小体が形成されるのは、ネギ類を摂取してから6~24時間以内です。
 
4.症状は?
  ネギ類摂取による症状としては、嘔吐、下痢、流涎(ヨダレ)があり、その後症状に進行がみられないことが多いです。
  しかし溶血が起っている場合には緊急状態に進行することもあります。 この場合の症状としては、貧血に伴う粘膜蒼白、虚脱、元気食欲喪失、抑うつ、呼吸速迫などがあります。 溶血による黄疸、赤色尿(血色素尿)されに肝障害と腎障害に進行することもあります。

5.治療は・・・
  ①アスコルビン酸投与によるハインツ小体やメトヘモグロビン血症のコントロール
 
  ②輸液による脱水抑制、循環維持やヘモグロビン腎炎への進行抑制
 
  ③重度の貧血に対する輸血 などが行われています。

    しかし、症状が重度の場合には救命できない場合も多くみられています。
 
 
                
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